Short Shorts 2



〜優雅な昼下がり〜





晩秋のある昼下がり・・・。

久し振りに優雅な気分で、熱いコーヒーにたっぷりのミルクをいれ

目の前の広大なお庭を眺めたわ。

BGMは大好きなサラ・ブライトンの
歌劇「リカルド」より(ヘンデル)「わたしを泣かせて下さい」・・・

いや、
そうじゃないの、泣きたいんじゃなくて〜、
とっても幸せ気分なの。



美しく紅葉した木々、野鳥のさえずり・・・。

うふっ、これ以上のBGMはないわね。

「やっぱり、お金持ちっていいなぁ・・・。」
なんて、フト思ったりして・・・。


そうね、敷地面積は二千坪は優にあるわね。


雑木林の雰囲気を持つこのお庭には、竹林だの
樹齢100年から150年のけやきの木だって15本ほど・・・。

今では区の「保存樹木」に指定されているわ。

なにしろ、江戸時代からの旧家ですもの。
この辺りに昔から住んでいる人の殆どは、元小作人だった人たちよ〜。


「そんなに沢山の木では、枯葉のお掃除だけでも大変でしょう?」
ですって?

まぁ、それは・・・ホホホ
週に2回ほどお掃除の人が来てますもの〜。



あらっ?

今日は、なんかクレーン車が入って、男の人が木に登っているわ。

今日は木の剪定の日だったかしら・・・?





「ねえっ!そこのお兄さん、剪定でもしているの?

だったら、
ほらっ、そこの太い枝、もっとしっかり切って下さいな。
お庭がもっと良く見えるようにね!



「えっ?あんた誰だって?」

いえね、ちょっとその〜、
いつもお庭を楽しませて頂いてる者なんですけどね・・・。
^_^;

そうそう!

ついでにその塀も何とかなりませ〜ん?

それだけがちょっと邪魔なんですけど・・・。
(^^;;) エヘヘ・・