Short Shorts 16


〜得手・不得手〜




人間誰しも「得手・不得手」って有るものだけど
私の「不得手」は
特に「水泳」と「車の運転」なのよね〜。



水泳はね、

昔、皆で行った海で遊んでいて
突然の大波にさらわれて溺れかけた事が有って

それ以来、シャワーで頭から水をかぶるのさえ
怖いと感じていた位なのよね。

それで、
「これじゃあ、いけない。」

と、「一念発起」。

当時入っていたスポーツクラブの
「水泳初心者コース」に入ったの。

ところが・・・

コーチが
「さぁ、皆で浮いてみましょう」

と言われると、何故か沈み・・・

「では、沈んでみましょう」
と言われりゃ、何故か私だけ浮くのよ〜。

なんでやねん〜。(>_<)


それでも半年間、頑張ったのよ。
私なりに・・・。

で・・・ついに!
25メートルを、何とクロールで泳ぎ着いたのよ。
ただね〜
皆が見ている手前、見栄を張って頑張り過ぎたのね〜。

プールの淵に手が付いた途端、もう息も絶え絶え・・・。
ホント、死ぬかと思った〜!

だって、実は「息継ぎ」なんて殆ど出来ていなかったんだもの〜。
(;´д`)トホホ

そんな訳で
結局「水泳はやっぱり私には向いてない!」
と諦めたのよね〜。





それとね

車の運転・・・これもホントに苦手なの。

今も仕方なく毎日運転はしているものの
家に帰ると
「あぁ、やれやれ・・・今日も一日無事だった。」
って、ほっとするのよ〜。

ホントなんだから〜。




こんな私だから
免許取り立ての頃なんて、そりゃあ大変だったわよ〜。

同じ世田谷区内に引っ越したお友達が
「折角免許を取ったんだから、車でいらっしゃいよ。
道もそんなに難しくは無いわよ。」

って言うものだから
ある日、一大決心して、地図を片手に行ったのよ。

そしたら何処をどう間違えたのか
って、一本手前の道を曲がっちゃったんだけどね。

それが
初めての場所で、分りにくい住宅地で
初心者だから精神的に余裕が無いでしょう?

一方通行らしき道をトコトコ走っていたら
道がどんどん狭くなって行くじゃないの〜。

「ど・・・どうしたっていうのよ〜。」
と思っている内に、今度はかなり急な曲がり角・・・。

「う・・・うそ・・・」

と思いながらも、ソロソロと進んでしまった私・・・。

そしたら
ハマっちゃったのよ〜、車が角に〜。

その頃は運転にまだ慣れてないから
ハンドルの切り方が悪かったのね〜。

進むに進めない、戻るに戻れないわで
ホントに大声で泣こうかと思ったわ。

そこへ運よく
近所のおじさんが通りかかって

「奥さん、ここは車は入れない道なんだよ。
それに突き当たりは“行き止まり”!
標識は見なかったの?」

そ、そんな余裕、無かったんだよ〜。

結局、
そのおじさんが、親切にバックで運転して
何とか元の道まで車を戻してくれたんだけど

あの時、あのまま誰も助けてくれなかったら、と思うと
今考えても恐ろしい・・。

それよか、あのおじさん・・・あの時良く私の車に入れたよな〜。



それから・・・
こんな事も有ったのよ。

駅前の「整形外科」の病院に
いつもは自転車で通っていたんだけど
駐車場が有る・・・。

という事だったので

雨のある日、車で行ったのよ。

そしたら

そこは
10台程ずつ2列に止められるようになった
縦長の臨時駐車場で
この病院の駐車場は一番奥(突き当たり)の左側だったの。

んで〜、ソロソロ・・・と奥に入って行ったのよ。

そしたら
ほぼ満車で、隣がちょっとその病院の駐車場寄りに止めて有ったりで
何とも止めにくい・・・。

特に当時は初心者だったから尚更ね。

とにかく
「どうせ、すぐに戻るんだから・・・」

と、頭から突っ込んで駐車した訳よ。

今考えたら、一台分斜め前が空いていたのだから
そこで何とか車をバックにして止めるべきだったんだけどね〜。

で・・・。
病院から戻ってみたら

その斜め前の空いていた場所に
何と、トラックが止まっているじゃないの!

「ウッソー!」

それほど広くも無い
、前の車とこちらの車とのスペースに
大きく車体を突き出して止まっている中型トラック
そして、こちらに寄ったままの隣の車・・・。

ここからバックで
どうやって出ろって言うのよ〜。

うぇ〜〜〜〜ん。

又も半泣きで
ちょっとバックしてはハンドルを切り・・・
を、繰り返していたの。

けれどもどうしても出られない・・・。

「このまま、車を置きっぱなしにして、後で主人に来て貰うしか無いわ・・・。」

と、諦めかけたその時、
このトラックの運ちゃんが戻ったのよ。

ったく〜!

「こんな住宅地の普通の駐車場に、トラックなんか止めるなぁ!」
と、大声で怒鳴りたかったわよ〜。





しかし
車の運転が苦手なのは、何も私ばかりではない。



私が免許を取ってまもなくの事
テニスの帰りに友達が

「良かったら、家に遊びに来ない?
貴方に車で付いて来て、と言うのは無理そうだから
私が又車でクラブまで送って来て上げるから・・・」

と言うので、喜んで乗せて貰ったのよ〜。

ところが・・・
暫く走って、辺りに住宅地の多い、
二車線
(往復一車線ずつ)の通りに入ると

何と彼女
道の「ど真ん中」を堂々と走っているじゃないの。

「ねぇねぇ、道の真ん中を走っているよ〜。」

「ん?どうして?
だって、こういう道は両方の小さい道から
いつ車や自転車が飛び出して来るか分らないじゃないの。
前は見えるんだし・・・。
だから、真ん中が一番安全なのよ!」

「・・・・。」



その後
「ちょっと買物するから・・・」

と、デパートのようなお店に行ったんだけど
そこの駐車場は上を電車が通っている細長い
大きな駐車場なんだけど

お店の前の駐車場がポツポツ空いているにも拘わらず
どんどん奥へ・・・。

「ねぇ、お店の前が空いているのに
何でこんなに奥まで来るの?」

「だって私、バックで止めるの苦手なのよ〜。
こっちは空いてるから頭から止められるでしょ?」

結局随分奥の、ホントに周りに誰も止めていない場所に
ようやく止めたの。
頭からね〜。

これで運転暦20年だって・・・。

んで〜、
本人も「未だに生きているのが不思議」・・・だってさ〜。

そんな車に乗せて貰ったのかよ〜!

まぁ、人の事は言えないんだけどさ〜。





あれから15年・・・。
私の運転も少しはマシになった・・・と思うでしょ?

それが・・・。



一ヶ月ほど前の事・・・。

陶芸教室のお友達に
自宅で新年会をするのだけど、良かったら来ませんか・・・
とのお誘いで

又も道は簡単だから・・・
と道順を教わり、地図を片手に車で行ったんだけど

「公園の先を左折」と聞いたので
公園が終わった所の道を左折したら、どうも違うらしい・・・

丁度曲がった所に「酒屋」が有ったので、車を降りて聞くと
「〇〇さんのお宅なら、もう1本次の道ですよ。

このまま右折して、すぐ曲がったらいいですよ。」

と言われて、その右折の道まで歩いて行ってみると
どう見ても一方通行の狭さ。

で、安心して右折したら
なんと
向こうから車が二台もやって来るじゃないの〜。

どうやったってすれ違えない道よ。

どないなってまんねんねん???
ところが向こうは私にバックしろって言うのよ〜。
何でや〜!

とに角
仕方なくバックして、もう一度酒屋のおじさんに確認したら

その道は昔からの住宅地で、其の辺りに住む人達が
「一通では不便」という事で
一方通行の道では無いんだってさ〜!

あんな狭い道、
知らない人は絶対に「一通」だと思うから
曲がった途端に向こうから車が来たら
交通事故ものだよ〜。

その日は
お友達の家に着いただけで、グッタリだったわよ〜。




さて・・・

この後「得手」について書く積りだったんだけど
既にすっかり長くなっちゃったし

どうせ書いても

得手ね〜、はいはい・・・分りました。
でも、もう、
え〜て。」

って、言われるのが
オチなので、今回はここで止めとくね〜。