トイレにまつわる話あれこれ〜  







先日、義母が危篤となり、
急に夫の実家であるオクラホマへと旅立った。

オクラホマへはダラス経由が便利である。
このダラスエアポートでのことを思い出した。




何年も前のことである。


時間が有ったので、空港のお手洗いに行った。

まず、歯を磨こうと、
洗面台の蛇口の下に歯ブラシを差し出した。

だが、水が出てこない・・・。
洗面台の上にはひねるような取っ手も見当たらない。


このタイプは普通手を出すと水が出るしくみになっている筈である。
周りにはその時に限って誰もいない。

「どうなってるのかな〜?」
と下を探したり、あちこち探すが何も無い。

最後に近寄ってよ〜く見ようとしたとたん

勢いよく水が

ジャー!

「脅かすな〜!」


と叫びそうになったぞ。


何とその洗面台は、人が何十センチかに近づくと
センサーが感知して一定時間水が流れるしくみになっていた訳だ。

その時は、距離が足りなかったらしい・・・。

今でこそ笑えるが、何年も前の事である。





そして、その後トイレへ・・・。


さて、今度は水を流そうと後ろのレバーを探したが・・・無い。

さてはどこかにペダルかひょっとして何か別のものでも・・・
と、あちこち見回すが、それも無し。

「もう〜、どうなってるの〜!」

と立ち上がり、前に一歩出たとたん、

ザァー!

オイ、オ〜イ!


もう、ビックリするじゃないの〜!


トイレも今やハイテク時代なのはいいけれど、
統一されていないのが困るの。

近頃では入ってから立つ前に、暫く考えること、度々・・・。

古くは下にベダルがあるかと思えば、
壁の横にセンサーがあったりと、まちまちなんだもの。

とはいえ

ヨーロッパでも田舎の方では、
今でもチェーンを引っぱる式が結構多いし





一番多いのは
何といってもレバー式かタンク脇や上のボッチを押す式のようだ。


しかし、

数年前にアメリカの田舎を車で旅した時には驚いたぞ。





何と!
便座がなかったのだ。

いくらアメリカと言えども
便座を盗む人もなかろうと思うのだが、

最初から無いのだ。

男性はどうか知らないが、これは大変である。

ある、オシリ合いは、つい座ってしまい、
お尻が便器にハマって抜けなくなったそうである。

いやいや、笑い事ではない。




さて

昔、義妹たちとカリブの小さな島へ行った。





空港内のトイレへ行くと

ドアが殆ど壊れていてどれも内側に開きっぱなしである。

外人たちは平気で開けっ放しで用を足していたが
奥ゆかしい日本人の私にはどうしても出来ない。

しかもこのドア、
日本と違い全体に広いから遠い。

足で閉めようにも届かないのだよ。
まぁ、何ともはしたない用足しと相成った・・・。

いやはや・・・。





さて、更に、これは3年前のことである。





主人と私は「地中海クルーズ」に参加した。
ローマからバルセロナまでの一週間の船旅である。


その第一日目のことである。

船を朝8時に降り、そこからは観光バスで
ローマ市内の名所旧跡を観光するという事であった。

バスにトイレはついていない。

しかし、
普通は1時間置きくらいに「トイレ休憩」があるものである。

ところが・・・
数時間たってもその気配がない。

やがて11時過ぎに最初の目的地に着き

恥ずかしながら
「トイレはどこですか?」

とイタリア人女性ガイドさんに聞くと、

いとも簡単に
「ここには無い」という。

無いと言われると、益々行きたくなるのが人情、
いや生理現象だ。


そうと知っていれば
バスの中であれこれ飲み食いなどしなかったものを・・・・。

と悔やんでみても遅い。


どうやら、スケジュール的に随分遅れてはいるらしい。

しかし、
12時になってもまだ「トイレ休憩」が無い。

こうなると、もう緊急事態である。


主人に
「ねぇ、お手洗いに行きたいんだけど・・・」
といってみたが

「もうすぐお昼だから、それまで我慢できない?」
と言う。

他の人は誰一人トイレの話は持ち出さない。


こっちはもう、観光どころでは無い。

夫に「ほら、あそこを見てご覧・・・」
などと言われても

「それどころじゃないわよ!」

ひたすら観光場所に着くたびにガイドに聞くのだが
「ここには無い」の一点張り。

そして確かに何処にも見当たらないのだ。

思わず藪などを探してみたが、そこは世界の観光地。
藪どころか人垣で一杯である。


結局レストランに着いたのは
何と!
午後2時近くであった。



真っ先に、血相を変えてトイレに飛び込むワタシ・・・。
しかし、
殆ど全員がなだれ込んだぞ。

何食わぬ風をよそおってはおったが、皆同じだったのだ。

外人はつくりが違うのかと思っておったぞ。


それにしても良くあれだけ我慢できたと、
自分で自分を褒めて上げたい。

朝7時半頃から、約6時間半。
よくも辛抱できたものだ。

普段、家にいての6時間半は大丈夫かも知れない・・・。

しかし、旅先の6時間半、トイレ無しはしんどいぞ。


ウソだと思ったら一度試してみてほしい。
旅先で・・・。


トイレで死ぬ思いをしたのは、あれが初めてである。
いや、最後であってほしい。

結局

ローマなどどこも見なかったわ!

フン!